香川県建設業協会 創立70周年記念誌
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ミなどにもっとアピールしてほしいですね。【井元】建設業界には、限界工事量という言葉があります。建設会社が経営を維持していくために必要な年間の工事量のことですが、山間部などの限界集落ではこの工事量が維持できていないのが現状です。【森田】消防は防災にかかる消防士の人件費や車両費などの年間予算を持っていますが、災害用の予算はありませんし、重機も持っていません。自衛隊は人命救助だけ、その後の復旧作業は全て地元の建設会社が行っています。建設会社が少なくなると、災害時の復旧作業、特に山間部では相当な時間を要すると思います。【筒井】今、香川で大災害が起こったらどうなりますか。【森田】自治体だけでは対応が出来ないでしょう。香川県は災害に対する備えが十分ではありません。地震保険に入っている人も高知県は8割で、香川県は2割です。香川県民の災害に対する意識はまだまだ低いと思います。【富田】香川県民の多くは「香川県は災害がない」と思っていますが、建物の耐震・免震化や津波への対策など、まだまだやらなければいけないところはたくさんあります。【中村】ただ、流れが変わったのは東日本大震災以降で、私たち建設業界の考え方が県民にも伝わり始めたことは追い風になってきています。座談会The 70th anniversary commemorative book213

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