香川県建設業協会 創立70周年記念誌
213/274

環境が良い、給料が高い希望が持てる業界を目指して【筒井】皆さま、お忙しいところお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日は一般社団法人香川県建設業協会の創立70周年を記念して、この20年を振り返り、社会情勢を踏まえつつ、建設業の明るい未来を目指して今後の展望を話し合っていただきたいと思います。この20年、建設業界全体を振り返っての感想をお聞かせください。【森田】香川県建設業協会においても大きな変革の20年でした。20年前の協会は2部会6支部の他に、大手建設会社の県外賛助会、港湾部会がありました。2005年に脱談合宣言や2008年のリーマンショックなどもあり、大手建設会社は協会を離れ、今は地元企業が中心となっています。その頃から、地元の工事は地元企業最優先で発注してほしいと県や市町に要望を出せるようになりました。【三日月】品確法の施行によって、発注者責任が義務付けられ、発注者と請負者が同等の権利を有することになりました。発注者側が罰せられるという法律は今までありませんでしたので、建設業界にとって最も大きな変革だと思います。【森田】民主党への政権交代もありました。「コンクリートから人へ」の政策により、高松自動車道の4車線化、ダムなどの公共工事がストップし、建設業界は政治や経済の影響を大きく受けました。民主党政権は最低10年続くと思われていたので、毎年建設業崩壊など言われてきました。関連業界も人員削減を行い、国交省も農業や介護などの異業種参入を勧めるくらいでした。【矢田】あと、平成の大合併によって、香川県は5市38町が8市9町へと大幅に減り、支部の再編も行われました。地元企業からすれば、公共工事の受注先が広がったという見方もありますが、競合先が増えたとも言えます。【井元】さぬき市では、旧町の予算総額から約3分に1になりました。元々財政が裕福だった町が、合併後財政難になったと聞きます。【朝倉】西讃地区も1市9町だったのが、2市になりました。それまで自治体ごとに出ていた予算が統一されたことで大幅に減り、建設会社の数も減っていきました。【中村】合併はコストや人員削減につながりましたが、その分住民にきめ細かなサービスができなくなりました。県民にとって良かったのかは微妙なところですね。激動の20年を振り返って司 会筒井 智子(フリーアナウンサー)座談会The 70th anniversary commemorative book211

元のページ  ../index.html#213

このブックを見る