香川県建設業協会 創立70周年記念誌
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<観音寺市新庁舎建設工事における免震工事>今後の展望平成27年3月に竣工した観音寺市新庁舎は、旧庁舎が築50年近くとなり老朽化に伴う建替え工事が行われた。建替え工事に際し、災害時の行政機能を維持し、災害対策本部としての機能を発揮できるよう「免震構造」を採用した。 今後、免震建物(免震構造)は新築、改修を含め益々増加する見込みである。地震後できるだけ早期に、機能を復旧させる事業継続・社会活動継続が求められる近年においては、事業継続対策の観点から民間企業においても事務所・生産施設・物流施設においても、免震化の動きは広まっていくと考えられる。また、免震建物と併せて、津波対策や非常用電源などの防災対策をした建物、省エネや新しいエネルギーを取り入れた環境配慮型の建物など免震構造+αの建物が求められてくるだろう。 いざという時に人の生命を守るための安心・安全の建物から、人の生命を守った次に地域社会に貢献できる社会活動継続に向けた建物へと変わりつつあるのではないだろうか。免震建物α・津波対策・非常用電源・新エネルギー安心・安全の次に求められるもの天然ゴム系積層ゴム高減衰ゴム系積層ゴム●アイソレータ(免震ゴム)43基●ダンパー(オイルダンパー)4基【工事に使用された免震装置】<免震装置の種類>アイソレータダンパー地震の際に建物を支え、ゆっくりと移動させる装置一般的な免震装置は、大きく分けて「アイソレータ」と「ダンパー」という2つの装置で構成されている揺れを抑える装置アイソレータだけでは続く揺れをとめることはできない◀オイルダンパー◎鋼材ダンパー◎鉛ダンパー◀積層ゴム◎すべり支承◎転がり支承◎自家発電◎受水槽◎災害用トイレなどの設備も備えている進化する建設技術The 70th anniversary commemorative book173

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